例えば一般の方で考えると、「志望校に受験する時」「入社の面接」「自動車免許の試験」などが、
験かつぎをする場面ではないでしょうか?その時には洋服の色であったり、髪型であったり、持ち物であったり、こだわろうと思えばそのパターンは無限にあると思います。一般の方でもそうなのですから、
年6場所、1年365日のうち90日間勝負しなければならない力士達の験かつぎも本当に様々です。
しかし、これだけ勝負に臨む機会が多いと、験に縛られていてはやってられないという一面もあります。
ですから実際には、験かつぎのパターンは数あれど、験が崩れたから不安になるというほど固執してない
のが実情でしょう。そして力士の中には「験かつぎなんてしないよ、勝つ時は勝つし、負ける時は負ける」
と達観している人間も当然います。以上のことから、次に紹介する話はあくまで「お相撲さんの験かつぎ」
の紹介というだけで、一般の方が思うほど、実は力士は験というものに重きを置いていないということを
ご説明しておきます。○か●かの完全決着の大相撲です。勝負の厳しさを経験すればするほど、
何かにすがる前に、実際に土俵で戦う自分自身を高める事に意識がいくのではないでしょうか?
さて、験かつぎに固執しないといっても、そこは勝負の世界です。本場所中はいろいろ考えて、自分なりの
ジンクスを持っている力士も少なくありません。取り組みの前日から考えると
(この前は○時に寝たから勝った。今日も同じ時間に寝よう)
(寝る前にプリンを食べると次の日勝つ)
(晩飯を○杯食べると調子が良い)
(夜、出かけないと次の日勝つ⇒またはその逆)など、ほとんど無理やり験にしているようなものです。さらに取組当日は
(場所入りする際の着物、帯、履物にこだわる)
(持ち物・風呂敷、テーピングバッグ、財布等にこだわる)は定番ですね。昔、春日野部屋に三勝三敗の給金相撲の勝率95パーセント以上の魔法の風呂敷がありました。ただその風呂敷には弱点があって、初日から使っているとどんなに白星先行していても結局三勝三敗になってしまうという、笑えない副作用がありました。他には
(勝った取組の日は床○さんに髷をやってもらった)
(取組○分前に栄養ドリンクを飲む)
(本場所までの道順にこだわる)かなり近い国技館でも、その気になれば10ぐらいはパターンがあります
(負けるまで髭をそらない)これも定番ですね。験というより士気を高める色合いが濃いでしょう。後半戦で髭を伸ばしてると「おっ、勝ちっぱなしだな」という目で見られますし
(今場所は東<西>だと験がいい)
(○番目の相撲は勝率8割越え)
(○○関の明荷の前で支度すると験がいい⇒若い衆限定)
(知り合いの○○さんが来てくれると勝つ!⇒その逆もあり)
(相手に声援が多いと燃える⇒験でもなんでもない気が・・・)
(部屋のある力士と同じ星取できてると、かなり気になる)
(審判に○○親方が座っていると験がいい⇒逆も有り)また、地方場所限定で
(大阪は負け越しがない)なんていうのもありました。
紹介した以外にも、それは験とはちがうでしょ?というのも幾つもありました。本場所中は勝負のことで頭がいっぱいですので、生活の基本的なこと(衣食住)はもちろん、何でも験にしてしまう気持ちは分かってもらえると思います。結論的には占いなどの結果を見た時もそうだと思いますが、自分に都合の良い部分だけを大事にして、気分良く取組に望む材料にするのが「お相撲さんの験かつぎ」のようです。 |